妊活外来
妊活外来は、妊活を始めたもののタイミングを取る時期がよくわからない方を対象にしています。
「基礎体温がばらばらでちゃんと排卵しているのか心配」
「月経不順なのでいつ排卵しているのかわからない」
という声を診療中に聞くことが多くなってきました。
妊活外来では2~3度通院していただき、超音波で卵胞発育と排卵を確認します。
排卵している方にはその後自宅妊活を続けていただき、排卵困難だった方は希望によりその後不妊外来に移行して治療を行います。
不妊外来とは

特定のパートナーと子供を望み、継続的に性交渉を行なっていても妊娠が1年以上成立しない場合、不妊症かもしれません。当クリニックでは、不妊の原因を調べつつ、タイミング指導、人工授精を行います。一般的には、タイミング指導6回→人工授精6回を行い、妊娠が成立しない場合には体外受精へ進むことになります。各々の回数は年齢、不妊年数、カップルの意向により決定します。当院ではタイミング指導、人工授精の一般不妊治療を行います。体外受精へ進む場合には適切なクリニックをご紹介させていただきます。
不妊スクリーニング検査
タイミング指導をしながら、1~2ヶ月で検査を行い不妊の原因を調べます。
経腟超音波検査
子宮筋腫や子宮内膜症などの不妊の原因がないかどうかを調べます。
卵管通水検査:月経7~10日目 ※自費8,650円(税込)
卵管が詰まっていないかどうかを調べます。
血液検査:月経2−5日目と排卵から約1週間後
下垂体-卵巣系ホルモンの基礎値と高温期のホルモン値、AMH(卵巣予備能)、甲状腺疾患や糖尿病などの全身疾患やクラミジア抗体、風疹抗体検査などを行います。
妊活栄養検査(血液検査) ※自費 4,700円(税込)
妊娠・出産に備えて特に必要な栄養素が不足していないかどうかが検査でわかります。
- ビタミンD
- 亜鉛
- フェリチン(鉄)
- 葉酸
検査の結果、不足している成分は食事で補うに尽きますが、なかなか現代は忙しさのあまり栄養が偏りがちになってしまいます。そんな時はムリなくサプリメントで補い栄養環境を整えることをお勧めします。
当院では妊娠・出産に必要とされる栄養に真摯に取り組んでいるBaby & Meサプリメントを取り扱っています。院内にもパンフレットがございますので、スタッフにお声がけください。
性交後試験(フーナー(Huhner)テスト):排卵前後
性交9~14時間後に来院し、子宮頸管粘液を調べてその中に運動精子を認めるかどうかを調べます。頸管粘液中の精子の数と動きを調べることで、子宮内に十分な精子が侵入しているかどうかを推測します。粘液中に精子が確認できなければ無精子症や抗精子抗体、子宮頸管炎などが疑われることもあります。
男性の検査
精液検査
不妊症の男女別原因割合
2017年に実施された世界保健機関(WHO)の調査では、不妊症のうち、男性のみに原因がある割合が24%、男性・女性ともに原因がある割合が24%との結果がでました。実に不妊症の48%は男性にも原因があることが判明しています。
男性不妊の原因
男性の不妊原因としては主に3つが考えられます。
- 造精機能障害(約82%)
精子の数が少ない、動きが悪いなど精子をうまく造れない状態 - 性機能障害(約14%)
勃起・射精不全など性行為がうまくできない状態 - 精路通過障害(約4%)
精子の通り道が狭窄・閉塞している状態
当院では男性不妊の検査で基本となる精液検査を行います。
当院ではSQA(Sperm Quality Anlyser)クイックチェックという精子自動分析装置を導入しています。簡易的な目視での検査とは異なり、精液の質に対する定量的評価が可能です。
精液所見は体調やストレスなどで変動することがあるため、1度の精液検査で結果が悪かったからといっていつも悪いとは確定できません。
2度の精液検査でも結果が芳しく場合は、男性不妊の専門医にご紹介させていただきます。
【正常な精液所見】
精液検査 | 基準値 |
---|---|
精液量 | 1.4㎖以上 |
精子濃度 | 1600万/㎖以上 |
運動率 | 42%以上 |
総運動精子数 | 1638万以上 |
正常形態率 | 4%以上 |
2021年 WHO(World Health Organization:世界保健機関)第6版基準値
精液検査のながれ
当院通院中の奥様経由での精液検査の手順ではなく、単独での検査のながれをご紹介します。
精液検査は電話での完全予約制となります。
精液の採取容器をお渡しします。
ご希望の受取り日時を電話でお伝えください。この時、カルテを作成しますのでお名前・生年月日・電話番号を伺います。ご予約日時に受付で容器、説明用紙、診察券をお渡しします。
容器の提出日時をその時または後日電話でご予約ください。
3~5日の禁欲後の提出日当日に、なるべくこぼさず全量を容器内に射精してください。
採取した容器を1時間以内に当院まで持参してください。
採取容器は体温程度の保温が理想的です。寒い時はタオルに包むなど保温を心がけてください。結果は1時間程度で出ますので、それ以降で予約を入れてください。
検査料金(税込):自費 初回7,800円 2回目以降5,500円
※容器代別途200円
タイミング法
超音波検査で卵(卵胞)の発育や頸管粘液を観察して排卵日の予測をし、排卵日2日前~排卵当日に性交を行うよう指導します。保険治療となります。1周期での妊娠率は10~20%です。
人工授精
精子を直接子宮内に注入する治療法が人工授精です。精子が女性の体内に進入する過程につきましては通常の性行為とは異なりますが、その後の受精と着床については自然な経過と同様です。精液所見がよくない場合、性交後試験が陰性の場合、タイミング法で妊娠しなかった場合に行います。自宅で専用容器に精液を採取後に来院していただきます。特に男性が来院する必要はありません。クリニックでは約1時間かけて精子を濃縮・洗浄します。その後、専用のカテーテルで濃縮精子を子宮内に注入します。1回の妊娠率は10~20%です。
人工授精の日は時間に余裕をもって来院してください。
※2022年4月1日より人工授精は保険適応(3割負担)となりました。
自己負担額:7500円程度(人工授精+超音波+再診料)
東京都不妊治療助成金
東京都内在住の方で当院に不妊治療で通院の方は、東京都より最大5万円の助成金が受けられます。
詳しくは以下のサイトをご覧ください。ご案内書は当院でお渡しします。
東京都福祉保健局 不妊検査等助成事業